2016年8月10日
タイ陸軍の塹壕にある展望台を出発し、車は北に向かう。
タイ陸軍の陣地を過ぎると、すぐにタイ陸軍の検問。
運転手がIDカードを提示して、検問を通過。
さらに北に進むと、ミャンマーの陣地の横を越えていく。
この道路は地図を見ての通り、国境線のすぐ脇である。
Googleストリートビューではミャンマー側から入って来ようとする、バイクが映り込んでいる。
これがミャンマー人なのかタイ人なのかはわからないが、山岳地域の住民たちは、このように出入りしているようだ。
このような道を進んでいく。
開けたところは、本当に見通しが良い。
特に柵などはなく、国境線が定まっているのかも微妙なところだ。
Google Mapでは、この道路は所々、国境線をミャンマー側にかなりはみ出している箇所もある。
このような急カーブ、急勾配の道も続く。
こちらはタイ側の眺め。
国境地帯は軍が検問をしているが、チェンライの幹線道路やラオスとの国境沿いの道路では、警察が検問を実施している。
前回も書いたが、タイは難民の流入にも苦しむ国だ。
いまの世界の縮図のようだ。
ミャンマーで迫害を受けたロヒンギャ族や山岳民族、ウイグル人、さらには年間、千の単位で中国・ラオスを渡ってタイに入ってくる脱北者も加わる。
難民にはテロリストも紛れるし、武装した麻薬密売組織まで国境を渡ってやってくる。
タイとミャンマーは、はっきり言って仲が悪い。
だいたい、隣同士の国は利害がぶつかることが多いのだから、当たり前だ。
日本も、無理して中朝韓露と仲良くする必要などどこにも無いのであるが、話を元に戻すと、仲が悪い国が隣にあって、さらには武装した犯罪組織や難民の流入の恐れのある地域は、警察や海上保安庁では無く、軍が警備するのが当然である。
ヨーロッパ人はカップルでこの道をバイクで走っていたが、このあたりは、日本人が来ることなど滅多に無さそうで、検問の軍人も珍しがっていた。
柄の悪い格好をしていくと、日本人となると、ヤクザが麻薬を受け取りに来たのかと、疑いの目で見られるかも知れない。
かといって、おんぼろな服装では、難民だと思われる。
少し進んだところに、山あいの小さな集落に出る。
いまは伝統的な家はだいぶ少なくなってしまったようだが、10年以上前は、ほとんどが藁葺きの家だったようだ。
日の当たる場所で眠る犬も、近くに車が来ると、車の下の陰にすぐに入り込んで、居眠りを始める。
この小さな村から見える景色がまた素晴らしい。
この坂を下ったところに学校があるらしいが、こんな景色を毎日見ながらの生活は、ある意味贅沢かも知れない。
チェンライの田園風景が広がる。
さて、車はさらに北へと向かう。
その後も、ミャンマー側は広大な景色が広がっている。
所々にビューポイントがあり、ミャンマーとの国境の街、Mae Saiが近くに見えるようになってきた。
そして、ここは軍の最後の検問。
ドライバーのIDカードをスマホで撮影する兵士。
当たり前だが、軍用の機関銃を携帯している。
基地と演習場の外では手ぶらで歩く自衛隊と、日本国憲法が、おかしいだけなのだが。
さて、次回は、もう一つ考えさせられる場所へ行く。